MIPO

MANABE INTELLECTUAL PROPERTY OFFICE

「アマビエ」は商標登録されるのか?

有名大手企業が、「アマビエ」(この名前の妖怪は下図参照)を一旦、商標登録出願したのちに、ネットで騒ぎが起きてから、取り下げたというニュースが流れました。

J-CASTニュース
https://www.j-cast.com/2020/07/06389599.html?p=all

アマビエが描かれた資料
(京都大学付属図書館所属)
肥後国海中江毎夜光物出ル 所之役人行
見るニ づの如之者現ス 私ハ海中ニ住アマビヱト申
者也 當年より六ヶ年之間 諸国豊作也 併
病流行 早々私ヲ写シ人々ニ見セ候得と
申て海中へ入けり 右ハ写シ役人より江戸江
申来ル写也
弘化三年四月中旬

この大手企業の商標登録出願(商願2020-73403号)の公開公報をみたところ、4区分でそれぞれたくさんの商品・役務が指定されておりました:9類=81、35類=74、38類=7、42類=26…(*´Д`*)。面白い指定商品・役務では、9類に「科学用人工衛星」とか、35類に「事業の管理」とか、38類に「電気通信(「放送」を除く)とか、42類に「技術的課題の研究」とか、妖怪もビックリです。

これ以外の会社も「アマビエ」の商標登録出願の公開公報は、11件抽出されました(2020年7月8日現在)。出願人には、お菓子屋さん、酒造屋さん、宗教法人などが含まれます。しかし、そもそも、「アマビエ」は、例えば、商標法3条1項6号「需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標」として拒絶される可能性が高いように思われます。

ウオッチングを続けて、各件の審査結果を後日報告いたしますので、お楽しみに。