内容証明郵便のおはなし
本サイトの2021年6月21日にも、内容証明郵便のお話を載せましたが、今回はその法的効果についての説明です。
一般的に、内容証明は郵便局によって、通知した内容、日付などが証明されるので、契約解除なとの手続きが行われたことや、未払金の請求などがはっきり相手に伝わり、ひょっとしたら後日訴訟手続きがなされるかもしれないといった心理的ストレスを与えることができます。
内容証明の法的効果は次のようなものであると言われています。
①時効の完成を遅らせる
例えば、あと1か月で時効完成となる場合、「催告」によって時効の完成を6か月遅らせることができます(この場合、従来の時効完成5か月後までに延長されます)。そして、この「催告」から6ヶ月以内に裁判等を起こすことで時効の完成を防ぐ(時効を中断する)ことができます。つまり、「催告」は、消滅時効完成を回避するために活用され、その後、提訴する(民法147条1号の「請求」)ことで時効が中断します。なお、催告から6か月後までに、提訴や相手方の承認などがなされないと、催告の効力が失われることになります(民法153条)。この「催告」の段階で、内容証明郵便による通知書が利用されるわけです。
言い換えると、内容証明郵便を受領すると、相手から6か月以内に提訴されるということを覚悟せねばならないことになります。
②確定日付のある証書による通知又は承諾にあたる
民法などには確定日付による通知等をしなければ、法律的効果を生み出さないと定めてある規定がいくつかあります。例えば、民法467条には、債権の譲渡の第三者対抗要件が、確定日付のある証書によるとありますが、この「証書」に内容証明郵便はあたります。
このほか、その後の法律関係に重大な影響を与える内容や、後の訴訟で重要となる内容などを、相手方に通知する(例えば、契約解除等の通知、相殺の通知の)場合に、内容証明郵便は活用されます。
このように、内容証明郵便の効果(法的効果も含む)を知ったうえで、この制度・システムを有効活用することが宜しいようですね!