次の本を読みました。
お話は感動的で、涙がウルウルするような小説です。しかしお話の舞台は、入管問題です。
次のような弁護士の恵先生(ハムスター先生)のセリフがあります。
「刑罰っていうのは、裁判なしに勝手に与えていいものじゃないんです。在留資格のない外国人の収容というのは、罰じゃない。送還までの間、一時的にそこに身柄をとどめておく措置に過ぎないんです。だから本来、送還できないなら収容には意味がない。諸外国では、三ヶ月とか、六ヶ月とか、収容に期限があり、それを超えても帰れない人たちの収容は解きます。しかも必ず裁判所が関与します。裁判所の許可もなく無期限に収容していいなんていう、日本の制度はおかしいんです」
やさしい猫 単行本219頁
先の映画「牛久」とあいまって、日本にいる外国人への不当な扱いに、本当に心が痛みます。でも、この小説はいきいきと、お話が展開されてゆきますので、お時間がある方は是非どうぞ。