やはりそうだったのね!
一冊のマルクス関連の書籍が発刊されました。「今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義」白井聡先生の著作で、2023年2月20日第1刷発行。講談社現代新書です。
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000374925
特に、その第三章では、包摂(subsumption)という概念によって、現在の資本主義世界についての有り様を説明されています。資本が、労働力のみならず、われわれが生きること自体をイヤらしく包み込んでいっていることを無自覚にいると、とんでもないことになるという理解は深まりました。
ところで、第2章には、「このように資本の衝動と生産力の工場との関係があきらかになることによって示唆されるのは、生産力の増大、それをもたらす技術革新や発明は、人間の幸福を目的としたものではない、ということだ。近代資本主義社会が達成してきた生産力の増大は、人間の生活を快適で安全なものとしてきた、として称賛されてきた。もちろんそうした面があることは、何人も否定できない。だが、マルクスが指摘しているのは、そうした肯定的な側面は、資本の内在論理からすれば、いわば副産物にすぎない、ということだ。」(94頁より)
発明に関連する仕事を夢中になってやっていることも、所詮、「資本」に包摂されて(「資本」にやらされているという感覚なしに)自らやっているということですよね。 ウ~ん(*’ω’*)。