MIPO

MANABE INTELLECTUAL PROPERTY OFFICE

裁判で被害者分断してどうする!

2024年9月9日、長崎地裁で長崎県と長崎市に被爆者健康手帳の交付を求めた訴訟の判決がありました。松永晋介裁判長は「区域外でも(放射性物質を含む)『黒い雨』が降ったと認められる地域がある」とし、2018年に提訴した原告44人(うち4人がすでに死亡)のうち該当する地域にいた15人への手帳交付を命じたものの、残りの人は認められなかったとあります。

時事ドットコムニュース 一部原告を被爆者と認定 区域外でも「黒い雨」―体験者訴訟・長崎地裁
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024090900565&g=soc

朝日新聞デジタル 長崎原爆「東側で黒い雨」判決で認定 原告の一部を被爆者と認める
https://www.asahi.com/articles/ASS9911D7S99TOLB00LM.html

国は、言葉を使い分けて被害者を分断することがよくある。長崎の原爆投下の被害者については、被爆者と被爆体験者という言葉の使い分けである。今回の判決は、被爆体験者の中で、被爆者手帳を交付する人とそうでない人と改めて分断したのであります。被爆体験者って言葉は、被爆者を何かバカにしてているような気がする。体験したくて体験した人じゃないだろう!!

このような被害者分断に、司法も手を貸すのはなぜであろう。
国への忖度なのか?裁判官の良識を疑います。 

当時、黒い雨が降った記録が残っていようが、そうでなかろうが、原爆というとてつもない爆弾が投下されたところの半径12km圏内では、直接その光線を受けなくても、原爆の放射能(放射性物質)は、水や土にしみこみ、川に流れ、或いは野菜などの作物に吸収され、近隣の人はそれを口に入れることは容易に想像できる。内部被ばくもあり得る。日本が起こした戦争の被害が原爆によって広がってしまったのに対して、その地域で苦しんでいて今なお裁判まで起こしている人を分断してどうするんだよ!と怒りがこみ上げる判決でした。