遺言(いごん)の基礎-3つの方式とは?
遺言の方式は次の3つあります。
- 自筆証書遺言(民法968条)… 遺言全文(原則)、日付及び氏名の自書及び押印が必要。これに関連して法務局が遺言書保管所にて遺言書を保管するという改正があり、利用しやすくなっております(本サイトの2020年7月15日記事参照)。
(自筆証書遺言)
第九百六十八条 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産(第九百九十七条第一項に規定する場合における同項に規定する権利を含む。)の全部又は一部の目録を添付する場合には、その目録については、自書することを要しない。この場合において、遺言者は、その目録の毎葉(自書によらない記載がその両面にある場合にあっては、その両面)に署名し、印を押さなければならない。
3 自筆証書(前項の目録を含む。)中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。
- 公正証書遺言(民法969条)… 公証役場で、遺言者及び証人2人の立ち合いで行う。遺言者、証人の署名、押印、公証人の付記、署名、押印による。
(公正証書遺言)
第九百六十九条 公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
一 証人二人以上の立会いがあること。
二 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。
三 公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。
四 遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。
五 公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。
- 秘密証書遺言(民法970条)… 遺言の内容は、生存中は自分だけしかわからないように、封筒に入れて、封印する(証書に押したものと同じ印)。パソコンで作成し、署名・押印で可。公証人と証人2人の前で、遺言者である旨と、氏名・住所を申述し、公証人が証書提出日付と遺言者の申述を封筒に記し、遺言者、証人とともに署名・押印する。
(秘密証書遺言)
第九百七十条 秘密証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
一 遺言者が、その証書に署名し、印を押すこと。
二 遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印すること。
三 遺言者が、公証人一人及び証人二人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること。
四 公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押すこと。
2 第九百六十八条第三項の規定は、秘密証書による遺言について準用する。
以上、基本的なところの復習でした。ご参考まで。なお、行政書士は、遺言に関連して、遺言執行者にもなれますし、遺産分割協議書の作成もできます。ご活用ください。