沖縄返還の歴史は、これまであまりよく知りませんでした。この本には、極めて細かく記録や証言をとって、私たちの知っている歴史とはかなり違う歴史が書かれております。
(日)米の機密文書が、過ぎ去った歴史を明らかにしてくれています。日本の文書は、当時の佐藤栄作首相の私文書となっていたり、管理がずさんです。また、政権交代がなされない限り、外務省が隠し通そうとする「密約」なども出てくることは無いのでしょう。
戦後77年経っても、昨今の国際情勢を見ると、今置かれている日本の状況は、この戦後のある短い期間に形作られてしまっているということが分かります。特に、沖縄返還交渉が、その後の沖縄の基地固定化であったり、日米同盟の起点になっていることに気づきます。
民意を聞いて政治をしていないという時の政権の姿がこの本からも見えてきます。このことは、聞く耳を持つと自称する宰相になっても今日現在なんら変わらないようです。