3.11がまたやってきた(‘ω’)
あれから、12年と7日。現地は、まだ震災復興とは程遠い状況にあるようですーあまりマスコミは言いませんが。そして、一度は原発を減らすと決めたものが、現政権によって、古い原子炉の運転期間の延長だの、原発新増設だのバカげた政策決定をし続けております。
一冊の本が出たことを知りました。2023年2月11日発行、あけび書房株式会社、著者は児玉一八先生。
原発がもしもの事態に陥ったときに、どう自分らの命を守るかという視点で書かれた本だということです。
読んでいて気になったのは、福島第1原発の爆発事故で避難しなくてはならないときに、「放射能を避けることによる被害」で多くの人が亡くなったということです(第4章第2節)。被曝して死ぬのはイヤだけど、被爆しないように避難する過程で健康状態の悪化を招き亡くなるなんてあってはならないこと。着の身着のままで避難を強行されて結局犠牲になるのは高齢者という。ああ、ヤバイ状況です。あちこちの原発の避難計画って、ずさんですよね。
もう一点、気になるのは、子どもの甲状腺がんについて、この本では、甲状腺スクリーニング検査を過剰診断で行ってはいけないと言っていることです(第4章第3節)。この点は、以前書いたことと真っ向逆の立場ですね。(参考:https://www.mipo-tokyo.com/?s=%E7%94%B2%E7%8A%B6%E8%85%BA%E3%81%8C%E3%82%93)
う~ん。難しい (*_*;
末尾(第7章第3節)に、原子力防災が成り立つための3か条が載っています。
- 原発で刻々変わる事故状況を電力会社が包み隠さず知らせ、それを信じてもらえるような信頼を、日ごろから電力会社が住民から得ているのか否か
- 道府県・市町村が実効性のある原子力防災計画を持ち、住民がその内容を熟知して、さまざまなケースを想定した訓練がくりかえし行われているのか否か
- 放射性物質の放出量・気象状況・災害や感染症などの状況を踏まえて、リスクをできるだけ小さくするためにどう行動すればいいか、住民が的確に判断するための準備ができているか否か
これを読むと、全く希望(展望)が見出せません。日本において、これ以上原発を進めることは極めて困難と思うのが、常識的な考えではないでしょうか?